OpenAI は、カスタムGPT(GPTs)を将来廃止する予定だと公式ヘルプで案内しました。置き換え先として示されたのが、ChatGPT と Codex で共通に使える「プラグイン」です。GPT の指示文はプラグインの中の「スキル」に、接続していたアプリはプラグインの「アプリ」として移る流れが予定されています。
この記事では、OpenAI ヘルプセンターの2本の記事(GPTs の廃止と移行に関する FAQ、プラグインの解説)を突き合わせ、日本語で整理しました。日付や条件は、原文の「予定」「目標」という書き方をそのまま残しています。内容は今後変わる可能性があるため、最終的な判断にあたっては、ご自身のアカウントやワークスペースに届く通知を確認してください。
何が発表されたのか
要点は3つです。
- カスタムGPT は廃止される予定で、OpenAI は置き換え先としてプラグインの利用を勧めている
- GPT からプラグインへの移行機能が用意される予定。指示文はスキルに、接続アプリはアプリとしてプラグインに入る
- 移行はすべての ChatGPT プランに関わる。ただし具体的な日付と管理者向けの案内は Enterprise の移行について書かれたもので、プランごとの提供状況や例外は異なる場合がある
いま使っている GPT が、すぐに消えるわけではありません。既存の GPT は、今のアクセス権やワークスペース権限の範囲で、廃止日まで使い続けられます。今回の発表は、将来の廃止に備えるための時間を設けるという位置づけです。
タイムライン:Enterprise の予定と、それ以外のプラン

Enterprise ワークスペースの予定
原文は「日付は変更される場合がある」と明記しています。表の右端の列は、原文での書き方を訳したものです。
| 日付(2026年) | 予定されていること | 原文での位置づけ |
|---|---|---|
| 9月11日 | 組織が準備するための管理者向け通知 | 予定表の最初の節目 |
| 9月17日 | 移行機能とユーザー向けバナーの提供 | 目標。すべてのワークスペースで使えるという保証ではない |
| 9月25日 | 新しいカスタムGPT の作成が終了 | 予定。移行したい下書きはこの前に公開しておく(一般公開は不要) |
| 12月11日 | カスタムGPT の廃止。GPT が動かなくなる | 予定(scheduled) |
9月25日を過ぎても、既存の GPT は廃止日まで使えます。この日に止まるのは、あくまで新規作成です。
Enterprise 以外のプラン
Enterprise 以外のプランも、同じ移行スケジュールに従う可能性があると書かれています。製品内の告知は Enterprise と足並みをそろえて出す、という説明です。一方で、目標日にすべてのアカウントやワークスペースで移行機能が使えるとは限らない、とも明記されています。
個人プランやほかのプランに、上の日付がそのまま当てはまるとは限りません。基準にするのは、自分のプラン、アカウント、ワークスペースに届く告知です。複数のアカウントやワークスペースを使い分けているなら、GPT がどこで作られたかと、そのワークスペースに届いた通知の2つを確かめてください。
見落としやすい注意点がもう1点。GPT の作成や公開にかかる制限と、既存 GPT の廃止は、原文でも別の話として扱われています。
Enterprise を契約していなくても影響を受けるケース
対象の Enterprise ワークスペースで作られた公開GPT は、Enterprise の移行スケジュールに含まれます。個人アカウントや別のワークスペースからその GPT を使っている場合も同じです。見るべきは、自分のプランと「GPT がどこで作られたか」の両方です。
また、公開GPT にアクセスできても、置き換え先のプラグインに同じようにアクセスできるとは限りません。GPT に表示される告知や、作成者からの案内も確認しておきましょう。
プラグインとは何か

スキル+接続済みアプリ+アプリテンプレートの束
プラグインは、再利用できる指示や接続済みのツールなどをひとまとめにし、ChatGPT と Codex でのワークフロー実行を助ける仕組みです。中に入れられるのは、次の3種類。
| 構成要素 | 役割 |
|---|---|
| スキル | 指示とワークフローの進め方を与える |
| 接続済みアプリ | 外部のアカウント、情報、アクションとつなぐ |
| アプリテンプレート | 管理者がワークスペース向けにアプリを設定するのを助ける |
複数のアプリを含むプラグインもあれば、スキルだけでアプリ接続を必要としないプラグインもあります。ChatGPT と Codex の両方で動くものがある一方、特定の利用環境やワークスペースでしか使えないものもあります。
アプリとの違い
アプリは、ChatGPT を Google Drive や Slack などの外部サービスにつなぎ、情報の取得や対応するアクションの実行を可能にするものです。プラグインは機能をワークフローとして束ねたもので、アプリ、スキル、またはその両方を含められます。
プラグインを入れても、権限は増えません。インストールをきっかけにアプリの接続や設定の流れが始まることはあっても、アカウント認証は別に済ませる必要があり、プロバイダーやワークスペースの権限を迂回することもできない仕組みです。アプリテンプレートも「そのまま使えるアプリ」とは違い、管理者がプロバイダー接続を設定してアクセス権を割り当てるまで、メンバーは使えない場合があります。
スキルだけのプラグイン
指示文とナレッジファイルだけで作った GPT は、外部サービスにつながっていません。移行後の姿は、アプリを含まない「スキルだけのプラグイン」に近いと考えると整理しやすいでしょう。プラグインの解説でも、アプリを無効にしても、それに依存しないスキルはそのまま機能する場合がある、と説明されています。
なお、パーソナルスキルは通常 ChatGPT Business、Enterprise、Healthcare、Edu のユーザーが利用できると、同じ解説にあります(ワークスペース設定、ロール、利用環境によっても変わる)。
「OpenAI 認証済み」バッジの意味
一部のプラグインには「OpenAI 認証済み」バッジが表示されます。OpenAI が選んだ開発者と協力し、品質・信頼性・有用性を審査したプラグインであることを示す印です。ワークスペースのオーナーと管理者は、「ワークスペース設定 > プラグイン」で認証ステータスを確認できます。
ただし、このバッジは組織によるプライバシー、セキュリティ、ベンダーの審査の代わりにはなりません。社内で使うかどうかは、これまでどおり自社の基準で判断します。
移行で移るもの・移らないもの

移行機能を使ったときの扱いを、原文の書き方に沿って整理しました。
| GPT 側の要素 | 移行後の扱い | 原文での書き方 |
|---|---|---|
| 指示文 | プラグイン内のスキルになる | 移る |
| 接続済みアプリ | プラグインにアプリとして追加される | 移る |
| 参照ファイル・テンプレート・例・ツール | 移行後の中身を確認してから使う | 確認が必要 |
| 会話スターター | コピーされない場合がある | 移らない可能性 |
| 過去のチャット | コピーされない場合がある | 移らない可能性 |
| GPT で選んでいたモデル | 引き継がれない(Enterprise では Enterprise の既定を使う) | 移らない |
| カスタムアクション | 移行機能では移らない | 移らない(作り直し) |
カスタムアクションは作り直しになる

外部の API を呼ぶカスタムアクションを組み込んだ GPT は、移行にいちばん時間がかかるタイプです。移行機能では移らないため、そのワークフローを管理する人が、対応するコネクタかカスタム MCP サーバーで必要な連携を作り直すことになります。
原文は、技術チームやセキュリティチームと一緒に置き換え先とその権限を確認し、切り替える前に連携をテストするよう勧めています。作り直した連携が元のアクションと同じ機能をすべて持つとは限らない、というのも原文の注意点です。
移行できる人と条件
予定されている Enterprise の手順では、次の条件がそろったときに移行できます。
- 移行する人が、その GPT の作成者か、ワークスペース管理者である
- 移行機能が提供されていて、プラグインが有効になっている
- GPT が公開済みである(下書きは直接移行できない)
ここでいう公開では、一般公開して誰でも使える状態にすることまでは求められていません。他人が作った GPT を使う権限と、その GPT を移行する権限も別物です。
組み込みの移行機能を使うだけなら、プラグインのアップロード権限(原文の Upload plugins と Upload plugins with custom MCP servers)は不要。連携の作り直しは別の作業で、追加の権限が要る場合があります。
移行の始め方は、Enterprise の場合、公開済みの GPT を開いて移行ボタンを選ぶか、ワークスペース管理者に相談するかの2通り。移行した後は、置き換え先のプラグインをテストし、共有設定を見直してから、ほかの人に切り替えを頼みます。個人アカウントの場合は、製品内の告知にある手順に従ってください。
今やるべき棚卸しチェックリスト
移行機能が提供される前でも、準備は始められます。原文が挙げている準備を、そのまま作業に使える形に並べ直しました。
| # | 確認すること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 自分が頼っている GPT を一覧にする | 移行対象を決める出発点 |
| 2 | 各 GPT がどのアカウント・ワークスペースで作られたか | 適用されるスケジュールは作成場所で決まる |
| 3 | 各 GPT の作成者は誰か | 移行できるのは作成者か管理者だけ |
| 4 | 置き換え先を誰に使ってもらうか | 移行したプラグインは非公開の状態で始まる |
| 5 | 指示文を控える | 移行後のスキルと見比べる元になる |
| 6 | 参照資料・テンプレート・例を控える | 移行後に中身を確かめるときの照合元になる |
| 7 | 接続アプリと連携を記録する | アプリごとの認証や承認が別に要る |
| 8 | カスタムアクションの有無を確認する | 移らないので、作り直しの時間を多めに見込む |
| 9 | 普段使うプロンプト数本と、難しいケース1本を控える | 移行後のテストで使う |
| 10 | 下書きのまま残っている GPT を洗い出す | 下書きは直接移行できない。Enterprise では9月25日(予定)の前に公開しておく |
| 11 | 必要な編集を移行前に済ませる | 移行後の元の GPT は読み取り専用になる |
| 12 | Enterprise なら管理者と段取りを合わせる | プラグインの有効化や権限は管理者側の設定 |
GPT で選んでいたモデルは引き継がれず、会話スターターもコピーされない場合があります。表の横にメモを残しておけば、移行後に設定を見直すとき、元の状態を探し回らずに済むでしょう。
移行後のテスト観点
移行したプラグインは、元の GPT と違う応答をすることがあります。原文は、広く共有する前に、普段使っているプロンプトと、少なくとも1つの難しいケースで見比べるよう勧めています。確認する観点は次の4つです。
- 正しいスキルが選ばれ、指示に従っているか
- 想定した参照資料を使っているか
- 必要な形式で、欠けのない回答やファイルを出しているか
- ワークフローに必要なツールや連携がそろっているか
ワークフローに影響する違いは、チーム全体を切り替える前に解消しておきます。移行後の変更は、すべてプラグイン側で行います。元の GPT は廃止日まで使えますが、読み取り専用になり、作成者でも削除できません。
呼び出し方も確かめておきましょう。ChatGPT では、@メンションを使うか、「+」から「その他」を選んでプラグインやスキルを指定します(利用環境が対応している場合)。Codex では、対応するタスクビューで「ソース」を開き、「プラグインを使用」から選びます。
依頼内容とスキルの説明が合っていれば、ChatGPT がインストール済みのスキルを自動で使うこともあります。ただし、毎回必ず動くわけではありません。テストでは、明示的に呼び出した場合と、自動で選ばれるのを待つ場合の両方を試しておくと、本番での食い違いを減らせます。
共有と権限:「共有」と「ワークスペースに公開」は別の権限

移行したプラグインは、非公開の状態から始まります。GPT を使っていた人が、自動で使えるようになるわけではありません。共有はテストと確認を済ませてから。共有した後は、使ってほしい人に実際にインストールしてテストしてもらいましょう。
Enterprise では、共有に関わる権限が分かれています。
| やりたいこと | 必要な権限(原文 / 日本語の表示名) |
|---|---|
| 人やグループに共有する | Share plugins / プラグインを共有 |
| ワークスペースのディレクトリに公開する | Publish plugins to workspace / プラグインをワークスペースに公開 |
| 移行したプラグインを使う | Use plugins / プラグインを使用 |
管理者は「ワークスペース設定 > 権限とロール」でロールを選び、これらの権限を確認します。権限を有効にしても、プラグインが自動で公開されるわけではありません。
所有するプラグインの共有範囲は、表示される次の選択肢から選びます。
- 招待されたユーザーのみ
- このワークスペース内でリンクを知っている全員
- ワークスペースディレクトリに表示
ワークスペースディレクトリに公開しても、一般向けの公開ディレクトリには出ません。共有しても、中に含まれるアプリの権限は変わりません。
使う側にも条件があります。プラグインへのアクセス権と、プラグインを使えるアカウントが前提です。Enterprise ではさらに、「プラグインを使用」の権限と、インストールを許可する(または自動でインストールする)ワークスペースのポリシーが要ります。インストールポリシーには、対象メンバーが自分で入れられる「利用可能」と、対象メンバーや選んだロールに自動で入る「インストール済み」があります。
含まれるアプリは、引き続きアプリごとのアクセス権、アカウント認証、アクションの承認が必要です。プラグインのインストールやアカウントの接続によって、接続先サービスのファイルやデータへの権限が増えることはありません。
廃止を迎えたカスタムGPTは、動かなくなるとともに GPT ディレクトリからも外れる予定です。移行済み GPT のリンクについては、アクセス権を持つ人であれば置き換え先のプラグインへリダイレクトされる予定と案内されています。ただし、リダイレクトされてもプラグインへのアクセス権は付与されないので、共有設定は別に済ませておきましょう。
よくある質問
Q1. 自分の GPT は、もう使えなくなっていますか。
いいえ。今回の発表は、将来の廃止に備える時間を設けるためのものです。既存の GPT は、今のアクセス権とワークスペース権限の範囲で、廃止日まで使えます。
Q2. 個人プランや Enterprise 以外のプランも対象ですか。
対象です。移行はすべての ChatGPT プランに関わります。ただし、この記事で紹介した日付は Enterprise の予定です。ほかのプランも同じ流れをたどる可能性があるものの、提供状況や例外は異なる場合があるため、製品内の告知に従ってください。
Q3. 移行ボタンが表示されません。
Enterprise では、移行機能の提供は9月17日が目標です。それより前に表示されないこと自体は、問題があるという意味ではありません。まだ提供されていないか、プラグインへのアクセスが無効になっている可能性があります。管理者に、プラグインが有効か、GPT が公開済みか、自分が作成者か管理者かを確認してもらいましょう。Enterprise 以外のアカウントは、製品内の告知を確認してください。
Q4. 同僚が作った GPT を、自分が移行できますか。
使う権限があるだけでは移行できません。移行できるのは、作成者かワークスペース管理者です。作成者に移行を頼むか、管理者に相談します。
Q5. 下書きのままの GPT はどうなりますか。
下書きは直接移行できないため、移行したいなら公開します。一般公開して共有する必要はありません。Enterprise では新規作成の終了が9月25日の予定なので、それより前に公開しておくよう案内されています。
Q6. 移行した後に、元の GPT を直したり削除したりできますか。
元の GPT は廃止日まで使えますが、読み取り専用になり、作成者でも削除できません。以後の変更はプラグイン側で行います。必要な編集は、移行の前に済ませておきましょう。
Q7. 「OpenAI 認証済み」のプラグインなら、社内の審査を省けますか。
省けません。バッジは OpenAI が品質・信頼性・有用性を審査したことを示すもので、組織のプライバシー、セキュリティ、ベンダーの審査の代わりにはならない、と明記されています。
Q8. プラグインを入れれば、毎回自動で動きますか。
依頼内容とスキルの説明が合えば、ChatGPT がスキルを自動で使うことはあります。ただ、自動で選ばれるかはタスクや利用できる機能によって変わり、毎回動くとは限りません。確実に使いたいときは、@メンションなどで指定します。
nLife としての見解
nLife では、AI顧問の支援先に向けて、デザイン添削やリール台本のフィードバックといった GPTs を複数つくり、先方からの要望を受けて修正を何度も重ねて運用してきました。その経験から、今回の移行で手間の差が出ると考えているポイントが2つあります。
1つ目は、GPT の中身を分けて管理しているかどうかです。私たちは GPTs を作るとき、業務の知識、やり取りのルール、指示文を別々に持つようにしてきました。同じ内容が複数の場所にあると、直すたびにズレが生まれ、指示文の字数も膨らむためです。移行では指示文がスキルになり、参照ファイルは内容の確認が必要とされています。中身が分かれていれば、どれがどこへ移ったかを1つずつ照合できます。
2つ目は、複数の GPT をつないで使っていたかどうかです。前の GPT が出した結果を、次の GPT に貼り付けて渡す運用をしていた場合、1本ずつ移してテストするだけでは、つなぎ目の確認が抜けやすくなります。こうした GPT では、業務の流れ全体を1回通してテストするのが安全です。
Enterprise の予定では、12月11日の廃止まで約3か月。とはいえ、カスタムアクションの作り直しや、共有範囲と権限の決め直しは、移行ボタンを押す作業よりずっと時間がかかります。移行機能が提供されるのを待つ間に、棚卸しとテスト用プロンプトの準備を先に進めておくのがおすすめです。
GPTs の終了で困っている方・移行したい方へ
nLife合同会社は、中小企業向けに AI顧問(累計18社)、AI導入支援、システム開発(50案件超)を手がけ、受講生1000名以上の AI スクールも運営しています。GPTs からプラグインへの移行についても、どの GPT を残すかの棚卸し、移行後のテスト観点づくり、カスタムアクションの作り直しの検討といった段階からご相談を受け付けています。
移行機能の提供時期や挙動はプランやワークスペースによって異なり、今後変わる可能性もある点にご注意ください。私たちも公式の告知を確認しながら進めるため、特定の日付での提供や移行の結果をお約束することはできません。そのうえで、今の業務を止めずに切り替えるための段取りを一緒に考えます。
たとえば、次のような状況でお困りの方からのご相談をお待ちしています。
- 業務で使っている GPTs が止まると困るが、何から手を付ければいいか分からない
- 社内に GPTs がいくつもあり、どれをどの順番で移すか決められない
- カスタムアクションで外部サービスとつないでいて、作り直しを任せたい
- 移行したプラグインが元の GPT と同じように動くか、テストの段取りから相談したい
GPTs が終わってしまって困っている方、プラグインへ移行したい方は、お気軽にお問い合わせください!
出典
- OpenAI Help Center「Custom GPT retirement and migration FAQ」 https://help.openai.com/en/articles/20001519-custom-gpt-retirement-and-migration-faq
- OpenAI Help Center「ChatGPT と Codex のプラグイン」 https://help.openai.com/ja-jp/articles/20001256-plugins-in-chatgpt-and-codex
本記事は、2026年9月14日時点で確認した上記ヘルプ記事の内容をもとに作成しています。